絵本作家「さくらコンコン」ライオンにゃんグ展

2019年11月17日(日)より、絵本作家「さくらコンコン」さんによる、初の個展【ライオンにゃんグ】を、猫の屋おでん1階ギャラリースペースにて開催いたします。

作家からのコメント

個展のテーマは「ライオンにゃんグ」。
ライオンのような猫達です。王様・王女様は一人ではありません。猫を家族にもたれている方は皆さまそうだと思いますが、「うちの子が一番かわいい」です。
一枚一枚の絵の中の猫さんが王様であり王女様であり、主役です。作品全体を通したストーリーは、「一人一人が主役。いつまでも心に生き、そして生まれてくる。」。
作品ごとに小さな物語をイメージしながら描きました。
どうぞ、ご来場の皆様も、絵から物語を思い浮かべてみて下さい。

在廊予定

11月17日(日)11時~15時
11月22日(金)11時~15時
11月23日(日)13時~16時
11月30日(土)11時~17時
※11月1日時点の予定。変更になる場合がございます。

アーティストステートメント

作者紹介 さくらコンコン Concon Sakura
絵本作家 Picture book author

彼女が物語を創作する始まりは、幼少期に遡る。発達障害があり、図画工作や数学が得意であった反面、本を読むことや漢字などを覚えることが困難な子供時代だった。

当時、彼女の通う学校は読書に力を入れており、年間100冊以上のノルマを課していた。本を読むことが困難だった彼女にとっては、とても厳しい課題であった。0か100、白か黒、あいまいなことが嫌いな彼女は、必死に考えた。
「そうだ!本が読めないなら、自分でお話を考えればいい!」

学校の図書館には1冊だけ、彼女のために作られたような素晴らしい絵本があった。それは「字のない絵本」。そう、本なのに文字が無いのだ。その絵本は、読む人が自ら物語を創作し、オリジナルの絵本を完成させるというものだった。
彼女は、絵本を開いては物語を創作し、せっせと読書帳に本のタイトルと感想を記入していった。

とうとう読書帳の提出日。先生から、「コンコンさん。あなた、同じ本ばかり読んでるじゃない。同じ本は1回まで!100冊違う本を読まないといけないのよ。」と。彼女は、すぐに「同じ本だけど、同じ本じゃないです。お話が違います。」と反論した。このころから、一言多い性格だったようだ。
すると先生は「だって、どの感想も「面白かったです」だけで同じじゃない!」と。幼いころの彼女は、日記といえば「楽しかった。」、感想といえば「面白かった。」の一辺倒だった。それ以外の感想があるのかと、先生の言葉を聞いて驚いたのを覚えている。先生は、他のお友達の読書帳を見せながら、感想は、本によって違うものなのだと教えてくれた。けれども、当時の彼女には、そういった感想文を書くことは困難であった。

押し黙る彼女。先生は、「ほら、嘘ついたでしょ。何も言えないでしょ。あと99冊読んでから提出しなさい。」と言った。しかし彼女は、極度の恥ずかしがり屋な反面、強い意志を持ち合わせていた。「違うお話です!」と。すると先生は、「じゃあ同じ本じゃないことを見せてみなさい。」と言う。そこで彼女は、先生の前で、一つの絵本から作った数々の物語を披露してみせた。それらの独創的な物語を聞いた先生は驚き、そしてこう言った。「本当、同じ本だけど同じ本じゃないわね。100冊違うお話ね。なら、課題OKだわ。」と。

これが絵本作家コンコンのスタートだ。

彼女は、もともと図画工作が好きで得意でもあったので、「字のない絵本」から物語を作るだけでなく、自分でも絵を描いて物語を作るようになった。そうして創作した紙芝居を放課後の中庭に下級生を集めて読み聞かせするなど、恥ずかしがり屋とは思えない大胆な行動をすることもあった。

そういった幼少期を過ごしたコンコン。出来ないことも多く、つらい経験も多かったけれど、傷つきながらも多くのことを学び取り、成長していった。しかし、大人になるにつれ、そういった創作活動からは離れていった。

やがて彼女は大人になり、最愛の伴侶を得て幸せな毎日を過ごす中、一匹の猫と出逢う。家族として迎え、プリンと名付けた。
「プリンの可愛さを多くの人と共有したい!」「猫友達が欲しい!」と考えた彼女は、Instagramを始めた。Instagramでは、多くの優しく楽しい猫友達が出来た。彼女はそこでの交流をとても楽しんでいた。

そんなある日、彼女の制作物を高く評価してくれるお友達が現れ始めた。「プリンママ(コンコン)は、絵本作家に向いているよ!才能がある!やってみたらいい!」「素敵な絵だよ。うちの子も描いて欲しい!」等と優しくも力強く背中を押してくれた。
彼女は、優しい夫と友人たちの後押しもあり、成長と共にいつの間にか抑えてしまっていた持ち前の創造性を発揮し始めた。

そうして、彼女は電子書籍の絵本作家となった。まだ紙の本は出版していないが、いつの日にかと創作活動を続けている。

代表作
「なかよしむし」「しろねこのハル」「りすのようせい」。(Amazon kindle より出版)

2019.10.28 絵本作家 さくらコンコン